妖怪(ようかい)といえば、古くは鬼、大蛇、河童、天狗、玉藻前などを、また近年では口裂け女、トイレの花子さんに八尺様などが頭に浮かんでくる。
妖怪を簡潔に言えば、日本で伝承される人間の理解を超える奇怪で異常な現象、もしくは不可思議な力を持つ異界と繋がる存在のことと考えている。
妖(あやかし)、物の怪(もののけ)、魔物(まもの)とも呼ばれる。
妖怪は日本古来の自然崇拝や八百万の神の思想と人間の日常生活や自然界の摂理にも深く根ざしたものであり、民俗学で柳田の言う「神の零落した姿」からも神と妖怪とは表裏一体として私たち日本人の心の中で生きてきたと言えるだろう。
そして、彼らを語り伝え、描き、創造してきた日本人を映し出す鏡として捉えることができるかもしれないと考えている。